東京ジャングルサバイバル。(糸こんにゃく編)
東京で長い事暮らす日々が続いて、実は違和感を感じていた。
その違和感は、
「クラブに行って、ノリノリでダンスしながら音楽に酔いしれる人」
や
「ナイトプールに行ってきた!やばたん!」
とSNSで言っている人たちを見るとより一層強く感じた。
自分は東京で生まれ育ちながら、ワーキャーな人たち、要は「パリピ」になじめなかった。
お酒も絶望的に弱いため、お酒の席でも、立場は弱かった。
しかし心の中では「お酒飲んでなくても、ウェイウェイのパリピ達より1.4倍は面白い事を言える。」と無駄に強がっていた。(本当は羨ましかったのかもしれない)
音楽を聴くなら、家でゆっくり聞きたいし。
プールに行くなら市民プールで筋疲労を感じるまでガッツリ泳ぎたい。
友達同士で話すのに、お酒なんて潤滑剤は僕には必要ない。
あ、でも今は飲み会は好きだ。僕がお酒を飲まなくても、お酒を飲んでる人のテンションを追い越せるし。年齢が上がるにつれて、みんなの飲み方が落ち着いてきているから、かもしれない。
「面倒くさい性格だなぁ。」と自分でも思うが、しょうがない。
だから今、僕と付き合ってくれている人たちには感謝しかない。(でも面と向かって感謝の気持ちを伝えるなんて恥ずかしくて到底出来ない)
東京での違和感はもう一つある。
「いっぱい働いて、いっぱい稼いで、いっぱいお金を使う事」への同調圧力みたいなやつだ。
いっぱい働いて、自分を犠牲にして、家庭を犠牲にしても、お金を稼いでいれば、
「バリバリ働く人、素敵。みんな!こうあるべき!」
みたいな風潮だ。
僕は東京では鍼灸師をしていたので、ボロボロになっている優秀な人をたくさん見てきた。
とてもじゃないが、
「ちょこちょこ頑張って、そこそこの対価が欲しいんだよなぁ・・・」
なんて生ぬるい事を言ったら、垂直落下式ブレーンバスターをブチかまされそうな空気だった。
だから僕は僕なりに東京では頑張ってた。鍼灸では開業していたので週6勤務だったし、残りの1日の休みもなんだかんだ仕事をしていた。いつか楽になれると信じていたからね。
そんな風に時間に追われながら仕事をしていると、こう言われたりする。
「おまえは頑張っている。」「この努力はきっと実を結ぶ。」「ピンチはチャンス」
僕は「ありがとうございますッッ!!」と言いながら、
(はぁ…これは全然楽にならないパターンだわ。)と思ってた。
結局は鍼灸の仕事も東京に置いて、高知へ引っ越したのだが、身体への探求心は東京に居る時よりも強くなった。
暇な時間が増えたから、
勉強する時間も増えたから。
頭の中を整理する時間が出来たから、知識と知識がつながってきている。
高知で林業をしながら、鍼灸の仕事をするのは、今の目標の一つだが、
もう無理な事はしない。気をつけよう。
「ピンチはチャンス」ではなくどう考えても「ピンチはピンチ」だ。
頑張っている状態は、エンジンの回転数を無理に上げている状態だ。すぐに疲れる。