東京から高知への引っ越し
僕の東京での生活は27年にも及んだ。
僕は東京の世田谷区の高級ではない住宅街に生まれた。
地元の小中学校に通い、地元の友達もたくさん出来た。
そうして幼い頃
「自分はこの土地で一生暮らしていく」
と本気で思っていた。
そして時は経ち、仕事をするようになり、あまつさえ結婚をするに至った。
仕事は鍼灸の仕事を夫婦で東京の中野で開業し、5年間頑張った。
5年頑張って、変化があった。
僕らに子供が生まれた。
子供が生まれてからは妻は育児をしていたが、特に考えることもなく「1歳になったら保育園に入れよう。」と夫婦で思っていた。
しかし東京の保育園事情は想像の147倍くらい深刻だった。待機児童問題が半端じゃなかった。一番近くの保育園はおよそ200人待ちだと聞いた。その保育園での1歳児保育の枠は年間2人。つまり100年待って入れるかどうか。
これは正直言って、カナリ異常な事態だ。日本大丈夫なのか?と本気で思った。
しかし、同時に東京以外の地方では「待機児童ゼロ」の保育園が存在することを知った。
現在佐川町で妻と娘の三人で暮らしている。
27年住んだ東京を離れて、高知県に来た。
仕事も鍼灸師を潔く辞めて、林業をするようになった。
他の人はどう思うか、わからないけど。
高知に移住したことは人生で一番良い決断だった。
ブッチギリの一番だ。
でも、知っていてほしいのは
「東京なんてオワコン」
なんて事は思っていない。という事だ。
「まだ東京で消耗して(略)」
なんて言葉は僕を育ててくれた街に失礼だし、僕の友達や家族の多くは東京で楽しく暮らしている。それでいいじゃない。
僕が住む佐川町は控えめに言って最高に暮らしやすい。東京よりずっと暮らしやすく感じている。
佐川町にだって欠点がある。僕の好きな牛丼屋「松屋」は無い、それどころか大手チェーンの飲食店が無い、筋トレに励むためのジムも無い。
人間だって、長所と短所がある。
東京という長年の友達とは円満にお別れした。今でも連絡を取り合ってるくらいの仲だ。
今度知り合った佐川町という新しい友達は素朴で素直なイイ奴だ。
僕は新しい友達とこれから何をして遊ぶか、考えるのが楽しくてしょうがない。